無駄な1勝・・・?

おはようございます、丸屋家具店主の丸山です。

 

先日の第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第1局目ですが、

応援しているところの藤井聡太棋聖が勝ちました。

 

勝ったことは、非常に嬉しかったのですが、

その時に、思い出したことがあります。

 

昨年の

第91期ヒューリック杯棋聖戦の第4局で、

藤井聡太当時七段が、渡辺明棋聖に110手で勝ち、

3勝を先に上げ、3勝1敗で、初タイトル・棋聖位を獲得した時のことです。

 

渡辺明現名人の敗戦の弁の中に、

「無駄な1勝を上げてしまって・・・」

と言う発言があったのです。

 

当時は、

「?」

だったのですが・・・

今は、その恐ろしい意味がわかります。

 

タイトルを守れなかったのに、

周到に用意した作戦を使ってしまった。

無駄に、大事な作戦を披露してしまった。

もったいないことをした。

そういう意味合いがある発言だと思います。

 

え~っ!

 

渡辺名人は、タイトル戦に望むにあたって、

周到な準備をする方なのです。

 

ただ、全力を注いで、いつでも勝ちに行く!

ではないのです。

 

この作戦で、1勝、

次には、この作戦で、もう1勝

この作戦が通用しなかった時は、この作戦で行く!

と、事前に、タイトル戦全体を見据えて、戦う人なのです。

 

対局者の過去の棋譜を調べ、

あの時の対局では、この作戦で勝っている。

ただし、こちらの研究では、

何手目に違う手を打てば、私が勝つ!

と、作戦をぶつけてくるのです!

 

え~っ!

 

実は今回もそうだったのです。

朝日杯で渡辺名人が大逆転負けを喫した1局が、途中まで再現されたのです・

 

え~っ!

 

藤井聡太棋聖は、相手の作戦を、いつでも、正面から受けます。

相手の作戦を、まともに受けるのです。

相手が用意してきた作戦から逃げないのです!

 

え~っ!

 

でも、勝ちました。

藤井曲線で勝ちました。

(評価値グラフが、徐々に有利になり、そのまま押切り勝ちを収めること)

 

藤井聡太棋聖も、事前に研究してきていて、

その研究VS研究で、藤井棋聖が上を行ったのです!

 

藤井棋聖の、この1勝で、

渡辺名人のプランが崩れたはずです。

第1局、絶対に勝つ自信がある作戦をぶつけて来たはずです。

 

それで、負けてしまったのです。

 

さあ、この後どうなるか!

がんばれ、藤井聡太棋聖!